2005年不動産市場の予測
動き出した地価
大阪市商業地の地価
2005年は、梅田、淀屋橋、本町の大阪都心部に需要が集中し上記ゾーンをとりまく他のビジネスゾーンは苦戦するという地域の二極化と、10〜30坪未満の需要に対応できる既存ビルは入居率が上昇し対応できないビルは苦戦するというビル個体による二極化がより明確になる。
大阪市全体では、2004年9月で対前年同月比(2003年9月)で保証金は△9.3%、賃料は△6.7下落した。但し空室率は2004年9月現在9.9%と対前年同月比より0.7ポイント縮小した。
住宅地の地価
関西の住宅地は需要集中地域と需要離れ地域の二極化が顕著になっていたが、平成16年後半では地価が上昇する住宅地と下落が続行する住宅地が同じ市域の中で明確になっている。この地価動向については最寄駅の性格によるところが大きく、乗り換え駅並びに、急行、快速停車駅駅勢圏の住宅地地価から強気に転じている。
住宅賃料
北大阪、大阪市のシングル、小家族向け住戸タイプの供給が増加し新築賃料が上昇する等、需要集中地域の賃料は強気に転じた。
ところが、需要が強い北大阪地域でも「3K−3LDK」のファミリータイプは、賃料が下落し賃貸住宅市場はシングル需要向けが中心となっている。一時金は下落傾向が続き、新規需要の弱いファミリータイプでは、賃料の5ヶ月分を割り込む等、一時金、支払賃料共に下落傾向にある。
2005年の賃貸市場は無論シングル、小家族向けタイプが供給の中心となるが、今年はこのタイプは「占有面積の拡大化」から「住サービスをつけた高付加価値化」に転じていく。
ファミリータイプ市場は「3K−3LDK」市場の新規供給はますます減少するが、反面「3K−3LDK」の平均占有面積60m2〜70m2台の「1LDK」「2LDK」タイプの供給が増加し、小家族向けゆとりタイプの供給が都心で増加していくものと予測した。
分譲マンション価格
可処分所得の伸び率から求めた理論価格と近畿圏マンション価格との比較では、両価格は近似しているが、乖離幅は△4.5%である。
2004年の近畿圏の新築マンション市場は、94年以降拡大傾向にあった平均専有面積は2002年(平成14年)の78.18m2でピークになりその後75m2まで狭くなっている。平均単価は2002年の41.4万円/m2から2004年(平成16年)は42.1万円/m2と反転上昇機運にある。
2005年のマンション市場の傾向としては、人口増加時代のドーナツ化現象から人口減少時代はアンパン化現象(都心回帰)により都心部マンション価格の上昇が予測され、また小家族化が進行することから占有面積の小型化が進み平均価格(総額)は横ばい、若しくは微増になると考えられる。