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2012年不動産市場の予測
 
反転を示し始めた住宅地地価
 2011年から関西住宅地の一部の地価は上昇若しくは地価横ばい地点が表れている。
 そうした地域の共通項として以下の5点が掲げられる。
  • 最寄駅への接近性、連絡性が良い。
  • 商業、教育施設等の利便性がよい。
  • 住環境が良い。
  • マンション需要がある。
  • 人口増加が認められる。
 2012年の住宅地の地価は、更に地価が上昇若しくは横ばい地点が増加すると予測する。
 その理由として以下により、住宅需要が活性化するからである。
  • 住宅需要は、団塊ジュニア世代(新規住宅取得)と、団塊世代(住み替え)が中心となっており、人口層が厚いこと。
  • 住宅ローンの更なる低金利化
  • 住宅購入の意思決定に景気の先行感に多くは影響を受けないこと。
  • 同じく地価・住宅の価格相場にも多くは影響を受けないこと。
  • 消費税アップ前の駆け込み需要があること。
 
大阪市商業地の地価
 平成19年のアメリカ発サブプライム問題、平成20年9月のアメリカ大手金融機関の破綻により始まった世界経済悪化の影響を受け、平成20年4〜6月期から平成21年1〜3月期までマイナス成長に陥った。その後、平成21年4-6月期に前期比+1.3%とプラスに転じ、平成21年7〜9月期の実質GDPで成長率が前期比±0%となったが、以降は再びプラスで推移していたが、平成22年10-12月期に前期比△0.6%となってから、平成23年4-6月期の実質GDPでは成長率が前期比△0.5%(2次速報値)と三期連続でマイナス成長が続いたが、平成23年7-9月期(一次速報値)には前期比+1.5%と1年ぶりにプラス成長に転換した。これは、欧米の財政危機による緊縮財政、中国国内のインフレ進行など海外経済の動きにも注目する必要がある中で、国内においては3月に発生した東日本大震災の影響も薄れた感が見え始めたからである。無論、時々刻々と変化する東日本大震災、福島第一原子力発電所の事故対応については年単位で考えなければならない。
 内閣府の月例経済報告(平成23年12月)においては「景気は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるなかで、緩やかに持ち直している。」とされ、先行きについては、サプライチェーンの立て直しや各種の政策効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待される。ただし、電力供給の制約や原子力災害の影響に加え、欧州の政府債務危機などを背景とした海外景気の下振れや為替レート・株価の変動等によっては、景気が下振れするリスクが存在する。また、デフレの影響や、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である。と、指摘されている。
 また、業況判断では、大企業製造業で低下しており、先行についても、全体として慎重な見方となっている。
 近畿圏においては、平成23年12月22日現在の日本銀行大阪支店近畿地域金融経済概況では、近畿地域の景気は、足踏み状態になっている。
 すなわち、輸出や生産は海外経済減速や円高などの影響から、このところ弱含んでおり、企業の景況感にも製造業を中心に慎重さが窺われている。
 また、企業収益が頭打ちとなる中、設備投資にもやや弱めの動きが見られる。もっとも、雇用情勢がなお厳しさを残しながらも徐々に改善するもとで、個人消費は全体として緩やかに持ち直している。この間、公共投資は減少している。先行きについては、海外経済減速の影響が強まることが懸念される。また、為替相場動向のほか、電気供給制約や、タイでの洪水被害の影響にも注視が必要である。と、指摘されている。
 大阪のオフィス市場であるが、商業地の地価下落率は縮小し始め、入居率も持ち直す地域がみられる等、オフィス市場環境はやや明るさがみえている。
 これは、2011年のオフィスビルの供給が少なかったため、需給バランスがとれたためである。
 但し、2012年については、2012年秋から2013年春にかけて、大型ビル(「うめきた」の「グランフロント大阪」を含む)の竣工が予定され、再び需給バランスの崩れによる空室率の上昇が懸念される。
 大阪市では、「大阪キタ」にますます需要が集中し、「肥後橋」ゾーン等、都市軸をはずれる商業地では需要離れが顕著となっている。
 また、需給の多くが「営業所統廃合」による移転理由であるため、大阪市内のみならず、神戸市、京都市の営業所まで統廃合の対象となっており、神戸市、京都市のオフィス市場にも大きな影響を与えている。
 この他、商業地における店舗需要も変化が顕著になっている。
 インターネットやTVショッピング等の通信販売を利用した市場規模が拡大傾向にあり、店舗を構える必要性がなくなっている他、店舗案内についてもネット検索が一般的になったため、あえて賃料の高いビル1階の店舗に出店する必要性が薄れてきたことが掲げられる。
 このため、オフィスビル1階の店舗、ショールームとしての需要が減少しており、空店舗が増加している。
 2012年のオフィス市場は、地価下落が収束していくものの、オフィス需要量が増大する状況にはなく、需給バランスの上での小康状態であるにすぎず、2012年後半の大型オフィスの新規供給と共に需給バランスが崩れ、オフィス市場の空室率が上昇し、賃料が下落するものと予測した。
 
住宅地の地価
 堺市をモデルにしたGDPの変動を乗じた理論地価は、GDPの下落により、実勢価格との開差が縮まってきた。実勢価格の下落率は縮小傾向にあり、地下鉄御堂筋線沿線他、著名でかつ利便性のよい住宅地は、横ばいになってきている地点も観測される。
 中古住宅市場の内、中古戸建市場は、取引件数はほぼ安定した動きであるものの、平均価格は2010年の2,107.1万円(土地面積101.9u、建物面積93.7u)に比し、2011年(1〜10月)は2,067万円(土地面積102.68u、建物面積95.3u)と年間△1.9%の下落で、堺市全域では未だ価格は下落している。
 中古マンション市場の成約件数は、2010年に比し、年率換算した2011年の件数(379件)はやや減少している。
 2010年の平均価格1,431.9万円(専有面積1u当りの価格209,000円/u、専有面積68.9u)に比し、2011年(1〜10月)の平均価格は1,399.2万円(専有面積1u当りの価格205,000円/u、専有面積68.13u)で、やはり△2.3%程の下落である。
 但し、2011年の月別の動きをみると、8月以降は専有面積1u当り価格は、ほぼ横ばいの動きとなっている。
 大阪圏の住宅地の地価は、前述の堺市とほぼ同じ動きを示しており、利便性が良く、住宅環境のよい大阪市内の中心区、北摂、阪神間の一部の住宅地では地価は横ばい、若しくは一部上昇している地点が観測されるが、二次交通立地で商業施設が撤退したような利便性に劣る郊外型ニュータウンは、下落率は縮小したものの、未だ地価下落が続行している。
 この理由としては、人口の多い団塊ジュニア世代が持家取得適齢期に達し、需要層が厚いこと、また、その親世代である団塊世代も60歳台で通勤・買物に利便な立地への住み替え需要層となっていること、更には低金利による住宅取得環境が整っていることが掲げられる。
 2012年も欧米のソブリンリスク等により、経済環境が一変しない限りは、利便性並びにステイタス性のある住宅地については、地価は横ばい、若しくは上昇するエリアが広がっていくものと予測する。
 
住宅賃料
 2010年から顕著になってきたファミリータイプ、特に「2K−2LDK」タイプの供給増は調査エリア全域で更に顕著になりつつある。
 特に「北大阪」「南大阪」エリアは、シングル向け総額賃料は下落し、ファミリー向け総額賃料は上昇し始めている。
 これは団塊世代について人口の多い、団塊ジュニア世代が第1子を持つ年代になり、ファミリータイプへの住み替えが顕著になっていることが、ファミリータイプの需要増加の原因である。
 この世代は、持家取得意欲も高いが、積極的に賃貸を選択するタイプも多い。
 また、賃貸選択の背景には、1. 平均年収の低下と、2. 都心指向が掲げられる。
 国土交通省住宅局による「平成22年度住宅市場動向調査」では、民間賃貸住宅に住む世帯年収(税込)は、「400万円未満」が約4割で最も多く、「400万円〜600万円未満」が全体の約1/4である。
 平成22年度の平均世帯年収は、434万円で、平成21年度の536万円に比し、102万円も年収が低下している。それに加え、勤務先からの住宅手当が出ない割合も平成21年度の56.8%から平成22年度は70.2%に増加している。
 従って、「今回の住宅に決めた理由」についても、平成21年度は「住宅の立地環境」(59.1%)「住宅のデザイン・広さ・設備」(56.6%)「家賃が適切」(56.3%)の順であったが、平成22年度では「家賃が適切」(52.5%)「住宅の立地環境」(45.5%)「住宅のデザイン・広さ・設備」(34.0%)と、家賃重視に変化している。
 また、都心指向については、UR都市機構による「平成22年賃貸住宅居住者定期調査結果」の「住まいについての意向」で、「郊外」より「都心に住みたい」意向が平成17年度調査の32.2%から平成22年度調査では、41.6%に大幅増加しているのに対し、「郊外に住みたい」は、平成17年度の31.2%から平成22年度は29.3%に下落している。
 「都心」を選択すれば、不動産価格は上昇するため、「持家」より「賃貸」を選択することになる。
 2012年の賃貸住宅市場については、以下のとおり予測した。
  • 単身者(高齢者も含む)向けとしては、「1ルーム」より「1K−1LDK」が主流であるが、なかでも家賃が手頃で占有面積もそこそこ広い「1DK」タイプ(35u前後)が主流となる。「1LDK」はシングルタイプの需要もあるが、「2DK」タイプと同面積であるため、新婚・カップル向けの需要が多いため、ポストファミリータイプとして特に都心部で人気が高く、この傾向は続行する。
  • 子育て世代のファミリータイプは、2居室タイプの内「2LDK」が主流となる。
  • 「1ルーム」の新規供給がますます減少する。
  • 「3居室」タイプは、マンションよりも「戸建賃貸」で増加する。
  • 2011年3月11日の東日本大震災の後、家族との「近居、隣居、同居」志向が高まっている他、「昔から住んでいる地域」の地縁も重視していることから、「都心部」指向のポイントがやや下がり、「郊外であるが駅から徒歩圏」という1.5次交通立地が注目される。
  • 住宅賃料は、「2居室」タイプは賃料下げ止まりエリアが拡大するが、一時金月数は緩やかに下落は続行する。
 
分譲マンション価格
 2011年では、ファミリータイプの供給で全般的に専有面積の縮小が進んでいる。
 2010年の発売月契約率は70.2%と2009年の61.3%より上昇している。2011年も3月に東日本大震災があったにもかかわらず、平均71.8%と70%台の契約率をキープしている。
 この背景としては、住宅取得年齢層に人口規模の大きい団塊ジュニア世代が達していることと、住宅ローン減税、低金利が追い風となっているからである。
 回復基調にある新築分譲マンション市場であるが、人気エリアの吹田市でも北大阪急行沿線・地下鉄御堂筋線沿線の駅徒歩圏立地のマンションは、初月契約率100%が多くみられるのに対し、JR京都線の駅徒歩15分立地のマンションは、初月契約率が10%〜30%と売行が悪く、需要は価格帯もさることながら、立地の選別に妥協がないことがわかる。
 このため、2011年の後半から需要選好が高く、利便性のよい北摂、阪神間の住宅地では、マンションディベロッパー等による住宅開発素地の取得が競合し、一部地価が上昇している地域が見受けられる。
 しかしながら、勤労者世帯の平均年間収入は、全国ベースで2009年は対前年比△1.1%下落しており、近畿圏では全国を上回る△2.1%の下落(2009年705万円)であることを考慮すると、素地取得費を販売価格に転嫁するのは困難と考えられ、2012年のマンション価格はほぼ横ばい、総額を調整するため、面積の小振化が進み、1u当り専有面積の単価は上昇するという構図になるものと予測した。
 
 
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