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2013年不動産市場の予測
 
消費税増税前の不動産の駆け込み需要は生まれるか

ポイント1

 今回の消費税増税は、景気弾力条項が組み込まれ、平成26年4月1日実施は確定ではないこと。

ポイント2

 消費税増税前に買いたい高額商品は「白物家電」(48.2%)、「自動車」(44.9%)、「パソコン」(41.4%)が上位を占め、「住宅・マンション購入」(13.4%)は第7位であること。

ポイント3

 消費率が3%から5%に上昇する前は、低金利、不動産取引税・登録免許税の軽減措置があり、住宅所得環境が整っていたため、駆け込み需要が出た。5%導入後の冷え込みは需要の先喰い反動減だけでなく、平成9年11月に金融機関の自主廃業が引き金となって、金融機関や景気の先行き不安から需要者マインドが冷え込み、地価下落幅が一挙に拡大したことが大きな要因である。

ポイント4

 不動産業界は、2012年から駆け込み需要を獲得するために供給を前倒し、供給量は大幅増加しており、供給過剰になる恐れがあること。

ポイント5

 2012年前半は、@ 団塊ジュニア層が持家取得年代になり、需要層が厚いこと、A 低金利であることを背景に不動産取引は増加傾向にあったが、後半、領土問題を契機に急速に景気が悪化し、雇用・所得にも影響が出始めていることから需要マインド冷え込みつつある。
 消費税増税の実行を決定するタイミングは実施日6ヶ月前の平成25年9月のGDPの結果次第と考えられることから、平成25年の駆け込み需要は前半の動きが鈍く、景気の動向をみつつ、景気回復のシグナルが観測されたなら後半に集中すると予測される。
 いずれにしても3%から5%に上昇した時ほどの駆け込み需要は生まれず、限定的な動きとなるものと思われる。

 
大阪市商業地の地価

 大阪市内の商業地は、2012年9月発表による大阪府地価調査結果では、大阪市天王寺区が+1.3%、福島区が+1.2%、北区・西区が共に+0.5%の上昇となった。
 上昇率ベスト5は、北区同心2丁目(+2.1%)、北区大淀南1丁目(+2.1%)、天王寺区玉造本町(+2.1%)、天王寺区玉造元町(+2.1%)、北区梅田1丁目(+2.0%)で、上位(いずれも+2.1%)4地点は、マンション立地需要が旺盛な立地である。北区梅田1丁目の高度商業地は5番目(上昇率では2位)であった。
 都心居住のマンション需要の活発化に反比例して、「淀屋橋」「梅田」以外のオフィス市場は空室率も高く、需要も低迷している。特に2013年には「うめきた」の「グランフロント大阪」が竣工し、更なる「梅田」集中が予測される。
 2013年のオフィス市場は、地価上昇が観測される地点が増加するものの、オフィス需要が回復してくるわけではなく、賃料については緩やかに下落していくものと予測した。
 東日本大震災後、リスクヘッジのために東京から名古屋・大阪に事務所機能を移転してくる需要に期待が寄せられたが、結果として短期間で東京に戻り、大阪の本社機能はいまだ減少傾向にある。
 テナント募集のためのフリーレントは常態化しており、今や目新らしい策ではない。
 競争力のない中小ビルは、マンション用地に転換が進み、大阪のオフィス市場は御堂筋を中心としたゾーンに集約されていくものと予測される。
 では、中小ビルに起死回生の道はないのか。ここで、テナントの変化に着目してみる。
 オフィスワーカーをかかえる企業が減少し、オフィス賃料下落からサービス系店舗・事務所が進出し、オフィステナントの様相が変化してきている。
 例えば、かつては1階にいた銀行がオフィスビルの上層階に移ったり、医院や美容院、リラクゼーション系の店舗がオフィステナントが転出した後に出店したりしている。
 こうしたテナントの変質を受け入れ、また、住機能も導入し、複合ビルにリノベーションしていくことが中小ビルの再生の手段の1つになるかもしれない。
 また、西区北堀江では、中古オフィスビルをシェアオフィスにした例も出ている。
 シェアオフィスとは、1つのスペースを複数人で分け合って利用するもので、西区北堀江のそのビルは3階の空室249uを会員制シェアオフィスに改装した。
 デスクゾーンとフリーゾーン、個別専用ブースをつくり、契約期間は1年で、会員は5つのタイプを用意しており、フリーゾーンを利用するフ リー会員(利用時間はAM8:00〜PM9:00、月額利用料5,000円、管理費1,000円)、デスク会員Aは月額利用料1万円、管理費1,000円(AM8:00〜PM9:00)、デスク会員Bは24時間利用で月額利用料1万5千円、管理費2,000円、ブース会員も24時間利用で月額利用料3万円、管理費2,000円、ナイト会員はデスクゾーンでPM9:00〜AM9:00の間、利用でき、月額使用料5,000円、管理費1,000円である。利用者はデザイナー・クリエイターが多いそうである。東京青山には、女性専用のシェアオフィスも登場した。
 このようにニッチな需要に対応して、オフィスビルの姿を変えていくことが大阪オフィス市場の再生に連がっていくものと考える。

 
住宅地の地価

 2012年では、地価上昇地点、地価横ばい地点が増加しているが、地価上昇、地価横ばいエリアの共通項として以下の3点が掲げられる。

 @ 人口流出より人口流入が多いエリア
 A 交通至便な立地(商業、医療、教育施設等との位置関係含む)
 B 住環境が良く、昔から住宅地として知名度が高いエリア

 こうした傾向が2013年も続行するであろうか。
 気になるのは2012年後半から、特に日中領土問題の騒動以降、顕著になってきた企業の業績悪化による景気の落ち込みである。これは雇用のみ ならず、勤労者所得にも及んでおり、不動産購入マインドに多大な影響を与え始めている。
 消費税増税前の駆け込み需要も一部では期待の声が上がるものの、住宅取得に関する優遇政策が明らかでないことから、需要は限定的であり、 地価上昇地域も頭打ちとなり、横ばい地点は減少、即ち再び地価は軟調になるものと予測した。

 
住宅賃料

1.「戸建賃貸は今後も増加する」

 2012年7月調査結果では、2010年から「2K−2LDK」タイプの供給が増加していたものがストップし、「1K−1LDK」と「3K−3LDK」の供給が増加した。
 また、「戸建賃貸」の供給増が目立ってきている。
 エリア別では、「阪神」エリアが22件と最も多く、「北大阪」エリア10件、「南大阪」エリア9件、「大阪」エリア2件と全てのエリアで供給が見受けられた。
 戸建賃貸の供給増加の背景として需要面から、

 @団塊ジュニア世代が子育て期に入り、広めの住宅の要望があること。

 供給面からは、

 @ 賃貸経営のための多大な投資をさけることが出来る。
 A 相続財産を分割することで、生前贈与が可能であるし、遺言で相続人に振り分けしやすい。
 B 更地化しやすいため、将来の有効活用の弊害になりにくい。
 C 一棟貸しなので、管理の手間がいらない。

 等のメリットがある。
 戸建賃貸は、駐車スペース2台分の確保があれば、多少駅から遠くても需要はあるので、今後共、増加していくものと予測した。

2.「支払賃料は下げ止まりエリアと下落エリアの二極化が進む。但し、世帯年収の低下から総じて賃料は下落トレンドになる。」

 「平成23年度 住宅市場動向調査報告書」(平成24年3月 国土交通省住宅局)によると、民間賃貸住宅の入居者の税込世帯年収は「400万円未満」の世帯が43.3%で最も多く、次の「400万円〜600万円未満」が29.5%である。
 平成19年度では、「400万円〜600万円未満」が30.8%、「400万円未満」が28.8%であったが、年々「400万円未満」の割合が多くなっている。
 また、当報告書の住宅決定項目では、第1位が「家賃が適切だったから」(55.5%)、第2位「住宅の立地環境が良かったから」(47.3%)、第3位「住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから」(45.5%)の順であった。平成21年度調査では、第1位が「住宅の立地環境が良かったから」(59.1%)、第2位が「住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから」(56.6%)、第3位が「家賃が適切だったから」(56.3%)の順であったが、平成22年度以降、「家賃が適切だったから」が第1位となり(52.5%)、その割合は平成23年度でも増加している。
 即ち、「家賃重視」が年々強まっている。
 このように賃貸需要の世帯年収の低下傾向から総じて賃料は緩やかに下落トレンドになるものと予測した。
 但し、その中でも人口流出より人口流入の多いエリアでは、賃料の下げ止まりが観測されることから、二極化傾向はより鮮明になっていくものと思われる。

3.『「親子間の近居・隣居・同居」と「地緑的選好性、即ち地域コミュニティ重視」の指向が強まっていく。』

 先に紹介した「平成23年度 住宅市場動向調査報告書」の平成21年度調査では、住宅決定項目として、「親・子供などと同居、近くに住んでいる」は8.8%、「昔から住んでいる地域だったから」は8.2%の割合であったが、平成22年度で「親・子供などと同居・近くに住んでいる」は7.8%に下落、「昔から住んでいる地域だったから」が11.5%に上昇した。平成23年度では、「親・子供などと同居・近くに住んでいる」は12.1%、「昔から住んでいる地域だったから」は16.8%と上昇しており、東日本大震災により「地緑的選好性、即ち地域コミュニティ」「親子の同居・近居」が重視されてきている。
 この傾向は、2013年も更に強まっていくものと予測した。

4.「一時金月数」は下げ止まる。

 前掲調査結果では、「1ルーム」「1K−1LDK」の一時金月数2.8ヶ月(内「引」若しくは「礼金」月数2.1ヶ月)、「2K−2LDK」の一時金月数3.0ヶ月(内「引」若しくは「礼金」月数2.3ヶ月)、「3K−3LDK」の一時金月数3.4ヶ月(内「引」若しくは「礼金」月数2.4ヶ月)であった。 これは2011年に比すると、ほぼ変化はなく、一時金月数は下げ止まってきている。
 先に紹介した「平成23年度 住宅市場動向調査報告書」は、首都圏(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)、中京圏(岐阜県・愛知県・三重県)、近畿圏(京都府・大阪府・兵庫県)の地域の賃貸住宅入居者に対して調査したものであるが、この報告書で敷金・保証金の月数は「2ヶ月ちょうど」が36.9%、「1ヶ月ちょうど」が36.3%、礼金の月数は「1ヶ月ちょうど」が61.0%、「2ヶ月ちょうど」が21.9%との調査結果が出ている。
 一時金月数(即ち、敷金・礼金・保証金・敷引を合算した月数)の調査はないが、仮に敷金2ヶ月、礼金1ヶ月の組合せであると、計3ヶ月となり、全国的に高いといわれていた関西の一時金月数も全国のスタンダードな水準に近づいたことが下げ止まりの理由の1つであると推測している。

 
分譲マンション価格

 2012年では、消費税増税前の駆け込み需要を期待してマンション業界では着工時期を速め、供給量が増加した
 確かに近畿圏新築マンションン初月契約率は平成24年3月以降70%以上で、特に6月・7月・10月は80%台をつけているものの、平均価格は総じて軽調である。
 三都市比較では、京都市では専有面積は拡大して、専有面積1u当りの単価も上昇、結果総額も上昇となっているのに対し、大阪市は面積は小振化、単価・総額は下落している。神戸市は専有面積が拡大し、専有面積1u当りの単価は下落したものの、総額は上昇している。大阪市で1ルームマンションの大量供給があったためという要因もさることながら、2012年10月の契約率が大阪市77.6%、神戸市80.8%、京都市94.6%ということからも推測できるように、総額が高くても売れる地域と売れない地域の二極化が窺える。
 マンション需要のニーズは「駅近・低価格」のひとことに集約されるが、近年資産格差が拡大し、ニーズは多様化している。
 最大公約数の「低価格」をターゲットにするか、ニッチな需要をターゲットとし、高付加価値型マンションを供給するか、ディベロッパーの戦略が分かれる年となると思う。
 2013年の傾向としては資産家のための投資向け1ルームマンションの供給は続行する。
 高額所得者のみならず、年金等の将来不安から安定収入を求める投資需要は多いからだ。
 平均価格は、前述の大阪市、京都市のように二極化が進む。平均専有面積も小振化と拡大化の二極化が進むものと予測した。また、2012年12月に政権交代したことから、新政権の住宅政策は未だ読めないところがあるが、公約にある更なる金融緩和は投資向け不動産市場を活発化しても、景気後退不安から財布のひもをいったん閉めたエンドユーザーに好感するには時間を要し、2013年前半のファミリー向け分譲マンションの価格帯は上昇よりも下落・横ばいエリアが多いものと予測した。

 
 
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